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ゾンビ パニック イン ワンダーランド 開発者インタビュー:Akaoni Studio

プレビューでも紹介した日本製と勘違いしそうなガンシューティングゲームアプリ、ゾンビ パニック イン ワンダーランド Plus(以下、ZP)のデベロッパー、Akaoni Studio(以下、AS)のホセさんに日本語で色々と話を聞いてみました。写真はホセさんを含むASのスタッフ一同です。

 

まず始めに簡単でかまいませんのでAS及びご自身の自己紹介をお願いいたします。

AS:ASは、三年前に設立した、スペインのバレンシアにあるゲーム開発会社です。2010年にWiiWare用ゲーム、ゾンビインワンダーランドを日本をはじめ欧米でリリースし、各国のランキングで一位を獲得しました。当時は、ゲームの雰囲気や社名から、日本の会社と間違われることがよくあって、なんだかうれしかったですね。

私はディレクターのホセです。ゲームデザインも担当しています。ASの中心になる開発チームは6人体制です。みんな20代後半で、ゲーム開発やプロダクションの経験が長い人もいますし、今回のプロジェクトで初めてゲームをつくったという人もいます。皆ゲームが本当に好きで、ゲームづくりという仕事にやりがいを感じています。

 

ホセさんは日本に留学されていたそうですが、日本で何を学ばれたのでしょうか?

AS:高校卒業後すぐ、ゲームづくりを学ぶために日本に留学しました。まず、日本語を身につけるために語学を学び、その後、専門学校でゲームのプログラミングからデザインまで勉強しました。卒業後は、ゲーム会社で実際の開発を経験しました。すべて合わせると、日本での生活は10年近くになりますね。

 

WiiからiOSへ移植したのはどういった理由からですか?

AS:ひとつのゲームを開発するには時間もコストもかかります。小さな会社の場合、運よく一つのゲームが成功しても、開発コストがすぐに戻ってくるということはありませんから、次のプロジェクトを考える時もいろいろな制限があります。ゲームは、ゼロから開発するよりも、前作をもとにしたほうが比較的短い時間で質の良いものつくることができます。そういった理由から、Wii版を活かした企画にしようと決めました。

次にプラットフォームを考えたとき、開発チームのプラスとするために、新しいものを経験したほうがいいと思いました。XBox Live Arcade、Playstation Network、PCなどいろいろありましたが、iPhoneは特に魅力がありました。ユーザーが多いだけでなく、機能性も高く、開発に至るまでの手続きも比較的シンプルです。それに、App Storeの存在も大きい。ユーザーの声を直接聞くことができるし、必要に応じてゲームを改善、アップデートしたりと、自由で柔軟な対応ができる点が魅力的でした。もちろん、収入機会を増やして確実な利益を得るということは、常に頭に入れておかなければなりません。でも、今のASにとっては、てっとり早く大きな収益というよりは、ゲームづくりを長く続けていくことが最善だと思っています。

 

グラフィックやBGMなど日本人スタッフが多数関与していると推測出来ます。ASのプロジェクトメンバーはどういった方々なのかご紹介いただけますか?

AS:普段は、先ほど紹介した6人で開発を進めていますが、プロジェクトの段階によっては、作曲家、イラストレーター、フリーランスの開発者なども参加します。日本からの協力としては、キャラクターデザイン担当のイラストレーターのbomiさん、桃太郎のテーマを歌ってくださったオペラ歌手のMori Mikiさんがいらっしゃいます。

 

iOSというプラットフォームでは、一部を除き日本のゲームアプリは主要市場である英語圏ではあまり存在感がありません。かつてはゲーム王国だった日本ですが、この点についてご意見や思うことなどありますか?

AS:確かに日本のアプリは海外であまり見かけませんね。理由はいろいろあると思いますが、アプリ開発の多くは小さな会社で、そうでなくても低予算の開発である場合がほとんどです。そうなると、たとえいいアプリをつくったとしても、海外でプロモーションする力がどうしても弱いという問題があるのではないでしょうか。

それにiOSの多くのユーザーは、カジュアルユーザーであるという点も挙げられます。携帯電話では本格的なゲームよりも、単純で気軽に遊べるタイプのほうが受け入れられやすい。そういったシンプルなゲームは短期間でいくらでもつくれますから、海外でも新しいアプリが毎日盛んにリリースされます。ゲームアプリは、以前のプラットフォームに比べて国内の供給率が高いため、そのほかのものはどうしても印象が薄れてしまうのかもしれませんね。

 

無料+アプリ内課金モデルですが、この価格モデルに決定した理由を教えていただけますか?

AS:移植とはいえ、iPhone版の開発には一年以上にわたり、それだけプロジェクトのコストがかかっています。最低限、開発費を取り戻すためにもこの価格設定にしました。アプリ内課金にしたのは、iPhoneのゲームに10ユーロは高いというユーザーもいると思い、ゲームを分解して、欲しいものだけを買えるようにしたためです。例えば、アクションゲームが苦手な人でも、可愛いキャラを見たいというユーザーには、キャラだけを買って楽しむことができます。逆に、キャラは気にしないけれど、ゲームをじっくり遊びたいという人には、ストーリーモード・サバイバルモードがあります。こうすれば、必要なときに必要なものだけを買うことができます。

価格については、確かに高いという意見もありますが、ゲームの質と値段は相応といった意見が圧倒的です。価格に対してマイナスな評価が多ければ、今後値下げも検討します。また、ゲームの売れ行きがよければ、無料コンテンツをアップデートして提供することも考えています。やっぱり、買ってくださったユーザーに、これからも喜んでいただけることを一番に考えていきたいですね。

 

iFanzineのインタビューで、日本のユーザーとヨーロッパのユーザーに違いについて語られています。実際にZPへのフィードバックは日本と英語圏で大きな違いはありますか?

AS:そんなに違いはありません。ZPのようなゲームを好きなユーザーはどこの国でもだいたい同じくらいいますし、評価される点も一緒です。あえて言うなら、難易度について意見の差があるかもしれません。たとえば、Wii版では、無限コンテニューは必要ない、難易度をもっと高くしてほしいという意見が欧米で多数ありました。それに対し、日本では難易度についてのフィードバックはありませんでしたし、逆に、難しくてあまり先に進めないというコメントがありました。日本ではスムーズにゲームを進めたいというユーザーが多く、欧米ではストレスになるくらい難しいゲームを好むといった傾向があるようです。

 

WiiユーザーとiOSユーザーではフォードバック内容に違いはありますか?

AS:ゲームは、Wii版とiOS版でずいぶん差があるので、比べることは難しいと思います。Wii版の出来には満足してますが、iOS版のほうがずっと遊びやすく、グラフィックもきれいですし、敵の攻撃パターンなども豊富で、ずっといいゲームに仕上がっています。iOS版のコメントを見てみると、どの国でも、ゲーム性、グラフィック共によく評価されています。

 

WiiとiPhoneではインターフェイスが異なります。多くの移植アプリはインターフェイス対応に苦労するようです。ZPの場合、具体的にどういった点で苦労されましたか?

AS:iPhoneにはボタンがありませんから、ずっと画面を指で触れて遊ばないといけないという点で悩みました。まさに、オーソドックスなアクションゲームには適さないプラットフォームですから、いろいろな試行錯誤が必要でした。まず、iPhoneを手にとってゲームを遊ぶところを想像し、どのようにすれば気持ちよく遊べるのか頭でシミュレーションします。ZPには、5つの異なる操作システムをつくりました。その後プログラミングをして、開発途中でそれぞれを試しました。実際に遊びやすい3つを選び、さらにそれらをテストプレーヤーに遊んでもらい、結果的に今回の操作システムが選ばれました。ゲームの操作システムを考えるのは、確かに大変ではありますが、なかなか楽しい作業です。



※下記画像は仕様書の一部です。

 

操作性がかなりスムーズで驚きました。この操作性を実現するのに苦労した点などありますか?

AS:そうですね。エンジンはすべて自作で、操作システムをゼロからつくり直さなければならなかったのは大変でした。簡単そうに見えても、実際には技術的にレベルが高いものが多く、プログラミングで実現するのはそう容易ではありません。毎日が戦いといった感じでした。

 

iFanzineで何度か記事として取り上げられましたね。タイミング的に2011年中にリリースされるだろうと予想していましたが、AppsJPの予想より3ヶ月ほど遅れてのリリースとなりました。どうしてリリースが遅れたのでしょうか?

AS:当初、リリースはクリスマスを予定していました。でも、時期が近づいても、ゲームの完成度は目標まで達していませんでした。そのままクリスマスに出して、アップデートを繰り返して問題を改善していくという方法もありましたが、自信のないものをリリースするということは、ユーザーに対してひどく申し訳ないことだと思いました。それに、一年以上の苦労を一つの性急な判断で台無しにするわけにはいきませんでした。そうして、ゲームが納得のいく仕上がりになるまで開発を続けた結果、三ヶ月遅れてのリリースとなりました。

ちなみに、驚かれるかもしれませんが、開発チーム内では一切もめごとがありません。小さな会社でそんなことがあったら、たぶんとてもやっていられないと思います(笑)。もちろんお互いに意見は出し合いますが、いつも和やかな雰囲気で、みんな楽しんで仕事をしています。

 

無料ということでユーザーが気軽に試せるアプリですが、リリース後のダウンロード数はどれくらいですか?

AS:具体的な数字は出せませんが、現在順調にダウンロード数を伸ばしています。今のところ、日本とアメリカが一番多いのですが、中国や韓国を中心にアジア全体でもたくさんダウンロードされています。これには少し驚きました。これまで家庭用ゲーム機でこういった結果はあまりなかったので、とてもうれしいですね。日本以外のアジアのユーザーのためにも、各国のおとぎ話を参考に、新しいキャラクターやステージをつくれたらと思っています。

 

マルチプレイ対応の予定は?

AS:是非したいですね。ただ、プログラミングがとても難しいので、今後の売れ行きを参考に検討したいと思っています。ディレクターとしては、マルチプレイ対応はやっぱり今一番実現させたいもののひとつですね。

 

ASの今後のリリース予定は?その場合、マルチプラットフォーム対応になってくるのでしょうか?

AS:プロジェクトはいろいろ挙がってはいますが、やっぱりこのiPhone版の結果も影響すると思います。マルチプラットフォームは、ビジネスとしてはベストですね。でも、当社のような小さな会社は、一つ一つに時間をかけ全力を注がなかれば、いいゲームをつくることができません。会社が大きく成長するまでは、プラットフォームごとの開発に専念し続けるだろうと思います。

 

日本のユーザーに対して何かメッセージはありますか?

AS:ゾンビパニックインワンダーランドPLUSは、日本の多くのユーザーに遊んでいただいています。皆さんからのたくさんのコメント、本当に感謝しています。私は、日本と日本のゲームが好きで、長年をかけて開発者になりました。だから、自分の仕事を認めてもらえて一番にうれしいと思える国は、やっぱり日本です。スタッフみんなも日本が好きで、日本から届くコメントひとつひとつに喜んでいます。これからも、気をひきしめて頑張っていきますので、皆さん応援をどうぞよろしくお願いいたします。




ゾンビ パニック イン ワンダーランド Plus By Akaoni Studio ¥0

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