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レビュー:Battle of the Bulge


アプリ概要

Battle of the Bulge
Battle of the Bulge icon
開発   :Shenandoah Studio
ジャンル :ストラテジー
対応機種 :iPad専用
日本語対応:×
レビューしたVer :1.0.3
レビュー時の価格:850
レビュワー   :iHait

動画

プレイガイド

プレイガイド
Battle of the Bulge(バルジの戦い)は第二次世界大戦末期の枢軸軍による奇襲作戦をシミュレートした区画レベルのウォーゲームです。プレイヤーは枢軸軍か連合軍のどちらかを選択し、ユニットに指令を与えて勝利条件を達成します。

「ラインの守り」作戦wiki
連合軍がノルマンディー上陸を果たしてから半年後の戦い。連合軍はフランスのパリとベルギーのブリュッセルを解放した後、すでにドイツ国境付近まで詰め寄っている状態である。東部戦線においても電撃戦の失敗後ソビエト軍の大攻勢によって押し返されており、このまま行けば敗北は時間の問題であった。そこで独裁者であるヒトラーは、残された戦力の全てを投じ、西側連合軍へ起死回生の一撃を加え戦局を一気に挽回しようと考えた。作戦内容は開戦当時のフランス侵攻にも似た電撃戦である。防御の薄いアルデンヌ地方の森を通り、迅速に西方へ進撃しムーズ川を目指す。ムーズ川を越えさえすればベルギーの首都であるブリュッセル、そして西側連合軍の補給拠点となっているアントワープを制圧する可能性も開けてくる。大局的には西部戦線を膠着状態に持って行き、東部戦線へと戦力を集中させることも視野にあったと言われている。

 

シナリオ紹介

「ムーズ川へのレース(Race to the Meuse)」
戦いの最初の3日をプレイします。

1.バストーニュを占領
2.ムーズ川に到着(1ユニットでもムーズ川を横断し、かつ補給路を確保していること)

枢軸軍が両方の目的を達成したら枢軸側の勝利。
どちらか片方達成した場合は引き分け。
最終日までにどちらの目的も達成していない場合、連合側の勝利となります。

「バルジの戦い(Battle of the Bulge)」
12月16日の奇襲攻撃から12月28日までのフルゲームをプレイします。

自動勝利
16日から19日までの間にムーズ川西側へ到達し、補給路を確保した場合には、枢軸軍が自動的に勝利します。

ビクトリーポイント(VP)による勝利
枢軸軍は、ムーズ川西側エリアの占領、マップ北西から出る、目標地点の占領(大きく名前が書かれた町)、および連合軍のユニットを破壊する度にVPを獲得します。
連合国は枢軸軍ユニットの破壊の度にVPを獲得します。

両軍には勝利に必要な勝利ポイントが設定されており、ブリーフィング画面で確認出来ます。最終日までに合計VPが上限を超過すれば枢軸側の勝利、下限未満ならば連合側の勝利です。


ビクトリーしきい値(Victory Thresholds)

 

1日の経過
夜明けから日没(6:00〜18:00)までを1日とし、プレイは交互に行われます。
1ターン経過する度にランダムな時間を消費して、1日の経過時間に累積されて行きます(正確には全くのランダムではなく、乱数は時間経過チャートを参照しています)。


時間経過チャート(Time Passage)

 

移動と地形効果
プレイヤーは各ターン毎に1箇所、好きなエリアをアクティブにすることが出来ます。アクティブエリア内のユニットは全て移動及び攻撃を行うこと可能です。エリアをアクティブにする代わりにパスする事も出来、両方のプレーヤーがパスすればその日は終了します。

※原文ではエリアではなくSpaceと表記されていますが、ここではエリアと呼んでいます。

 森林:防御時攻撃吸収x2、戦車のブレイクスルーに制限
 林:防御時攻撃吸収x1
 破壊された土地:特になし
 平地:視界の開けた土地での戦闘はより極端な結果がもたらされる(両軍に攻撃ボーナス)
 川(エリア境界):一度に移動できるのは1ユニットのみ。攻撃側が横断中の場合は防御側にボーナス。横断後は必ず停止しなければならない
 橋と道路:装甲車両と機械化歩兵は移動ボーナス+1
 都市:防御側がエリアを占有している場合、攻撃吸収x2
 町:防御側がエリアを占有している場合、攻撃吸収x1
 目標地点:防御側の撤退成功率が減少

戦略移動
枢軸軍歩兵以外の全てのユニットは占領下の道に限り3エリア分を移動することが出来ます。

ブリッジ禁令
橋が破壊されるケースを含み、戦闘中でない敵が占拠しているエリアへとブリッジを横断するこは出来ません。

 

ユニット
ユニットは次の5タイプがあります。

歩兵:枢軸軍の歩兵は移動力1
装甲車両:素早い移動と高い攻撃力
機械化歩兵:装甲車による移動。攻撃力は歩兵同様
エリート装甲車両:攻撃時にのみ戦闘ボーナス
エリート歩兵:防御時にボーナス。防御側の少なくとも半分がエリート歩兵である場合、攻撃側にはペナルティが付く

ユニットはそれぞれ1から7までのストレングスポイント(SP)を持っています。SPは戦闘力(Combat power)と回復力(Resilience)により決定します。

 

戦闘
アクティブなユニットが敵の占領エリアへ移動を行った場合、戦闘が自動的に行われます。エリア内のアクティブなユニットは全てその戦闘に参加します。

またユニットが戦闘中の土地を去る場合、別の戦闘中のエリアや敵に占領されたスペースへは直接移動出来ません。

SPは敵に攻撃を与える確率を含んでいます。装甲車両は歩兵より大きい成功率を持ちます。防御側は地形効果により受けた損害を軽減することが出来ますが、スタックユニットの合計SPが4以下の場合には効果が減少します。

補給状況、16日の奇襲攻撃(Surprise)、カノン砲による支援(Artillery)、及び連合軍の空爆(Airpower)は、命中率を上昇させます。反対に敵の装甲車両は命中率を減少させます。詳細は戦闘概要を参照して下さい。


戦闘概要(Combat Summary)

戦闘ダメージは、より強いユニットから平等に分配されます。防御側が多大な損害を受けた場合には、退却を選べます。成功率は退却するエリアにより減少します。詳細は退却テーブルを参照してください。


退却テーブル(Retreat Table)

追加移動(ARMOR BREAKTHROUGH)
防御側が全て破壊された場合、攻撃側の戦車は追加の移動(ブレイクスルー)を行うことが出来ます。

 

補給
補給(Supply)は占領済のエリアを通って、マップ端(枢軸軍:東 連合国:他3方)まで繋げる必要があります。
一日の最初に補給を行うことが出来ないユニットはアクティブにならない上に防御力が下がります。
さらに数ターン補給を受けないユニットは、防御力と強さが失われます。

枢軸軍の燃料備蓄
枢軸軍のユニットは19日まで補給を受ける必要はありません。21日の枢軸軍車両ユニットは無作為に燃料不足に陥ります。

 

イベントスケジュール
18:00を過ぎると、増援の到着、補給、部隊のストライキなどが次の日の6:00までの間に処理されます。増援はカレンダーのスケジュールに沿って行われます。

12月16日の奇襲攻撃(DEC 16 SURPRISE ATTACK)
夜明け前の奇襲攻撃により、枢軸軍は最初に3回連続でエリアをアクティブに出来ます。
ただし初日の枢軸軍の戦車は、移動の遅れが生じている為、攻撃のみ可能です。ブレイクスルーも起こりません。
また連合軍は戦闘準備が整っていないので、枢軸軍は戦闘ボーナスを得られます。

特殊部隊(COMMANDOS)
12月17・18・19日のいずれかの日に、枢軸軍は連合軍の1ユニットの移動を妨害することが出来ます。

ユニットの交代(TAKING REPLACEMENTS)
12月20日から両軍共に交代が入ります。被害を受けたユニットのSPを回復出来ます。ただしユニットは補給可能な状態でなければなりません。

OKWリザーブ(OKW Reserve)
枢軸軍はムーズ川へ到達した際、司令部より支給される強力な3つのユニットを受け取ることが出来ます。

英国の制限
枢軸軍がムーズ川に達するまで、英国のユニットはムーズ川を横断することが出来ません。

特別ルール
12月23日に天候が悪化していない場合
(1) 連合軍の空爆の攻撃力を増加させます。
(2) 枢軸軍は戦略移動を使用出来なくなります。
(3) 連合軍のユニットはある供給結果を受けられなくなります。

 

解説

 

解説

1つの戦いのみをピックアップして作品にするのはコンピューターゲームでは珍しいことですが、海外のボードゲームにはヒストリカル(ウォー)ゲームと言って、史実の戦場を扱ったボードゲームも多数あります。一般的な歴史シミュレーションゲームとは異なり、史実上の互いの状況を汲んだルールが多く採用されているのが特徴的です。

例えば本作バルジの戦いでは、国境まで追い詰められたナチスドイツの起死回生の一撃として立てられた作戦です。不利な状況での奇襲作戦ゆえ、時間が経過するにつれ枢軸軍にとっては厳しい展開となります。霧によって航空機の使用が困難とはいえいつ回復するかわかりませんし、本土からの増援部隊も到着します。そんな危うい作戦を成功させるには、負担の少ないムーズ川を越えて迅速にアントワープへ進軍する必要があったのです。史実では様々な要因から連合軍の勝利に終わりましたが、実際に当時の状況をシミュレートし、自分が指揮官となりプレイしてみたらどうなるだろう?というのがヒストリカルウォーゲームの楽しみ方です。

特徴的なのが従来のターンベースの常識を覆すゲームシステムです。オーソドックスなウォーゲームに慣れていると違和感を覚えること必須ですが、何度もプレイしたりブログを読んだりしている内に私でもなんとなく理解出来るようになりました。

従来のオーソドックスな戦闘システムでは、相手の全ユニットの行動が終わるまでこちらはなにも出来ませんでした。例えば防衛線の穴を突いてユニットを送り込んだり、安いユニットを敷き詰めて防御に利用するなどと言ったことが可能でした。1ターン内で動かせる規模が大きい為、こちらの介入する余地が少ないのです。ターンベスの戦闘システムは詰め将棋的であると言われることがありますが、戦場は詰め将棋ではなくもっと流動的であるはずです。

1ターンを1エリア分の行動に制限することで、プレイヤーの行動に自然と優先順位が付けられます。次のターンで相手の町を占領しようと思ったら、1手先に防衛部隊を配備されてしまったということも起こります。何度かプレイしてみると1日の行動内容は同じであっても、順番次第で目まぐるしく状況が変化するのが実感出来るでしょう。全ユニットを動かす手間がないので複雑にならず、対人戦においても待ち時間の短縮に繋がるという効果も同時に生み出しています。ウォーゲームの楽しさの本質を見失わずに、プラットフォームや今の時代に即した改変であると言えるでしょう。ゲームデザイナーはジョン・バターフィールドといい、「アンブッシュ!」や「銀河革命」などを手がけたボードゲーム出身の方です。公式ブログにも書いてありますが、過去のボードゲームからも様々なアイデアを分解しコンセプトに合わせて再構築しているようです。なぜこのようなシステムを採用したのか、あれこれ想像しながらプレイするのも面白いかもしれません。

海外レビューサイトでも評価が高く、PocketTacticsでは2012のEditor's Choiceに輝いています。モバイルデバイスがPCやコンソールゲームに劣らない、洗練されたオリジナル作品を提供出来ることを証明したと言えるでしょう。ボードゲームをそのまま持ってくることをせずに、プラットフォームに特化した遊びやすい形にした上に、非常に充実したマニュアルを用意した製作スタッフは賞賛に値すると思います。

このゲームが向いているかどうかという点では、いくら簡素化されているとはいえまだ複雑だし、当然英語の壁はあります。演出面的な要素も必要最低限なので(ただしサウンドやデモは素晴らしいです)、テーマにあまり興味が無ければついていけないおそれがあります。逆にこの機会に調べもの覚悟でじっくり取り組んで、ゲームを通じて戦場のリアリズムを感じっとてみるのも良いかもしれません。資料的にはヒストリーチャンネルや過去の映画、海外ドラマ「バンド・オブ・ブラザース」もバルジの戦いを含んでいます。今後はシリーズ化も予定されており、Crisis in Commandシリーズと銘打って別シナリオが作られる予定です。次回はエルアラメインの戦いのようでこれも楽しみにしましょう。

 

レビューまとめ

+ポイント

スリリングかつ戦略的な新機軸のゲームシステム
詳細なマニュアルとユーザビリティ
練りこまれたAIとオンライン対戦

-ポイント

英語の情報量を含めた敷居の高さ

評価点:  87/100

英語圏主要メディアのレビュー点数

100:GameZebo
100:TouchArcade
90:TouchGen

97: レビュー平均点(最低90:最高100)

カスタマー評価

100:AppStore(US)
90:AppStore(GB)

アプリダウンロード


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