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フリーミアム化の流れをメディアやデベロッパーはどう見るか

ますます本格化するフリーミアム化の流れ

最近iPhoneを購入した方々は知らない人も多いと思いますが、2009年にはEAやゲームロフトのアプリは$9.99の値札が付いていて、当時はAppStoreの為替レートが$1=¥115だったこともあり、日本円では¥1200とかしたものです。様々な試行錯誤を経て4年後の現在は、グラフィックやゲーム性が格段に向上したものの、値札は¥0というアプリが主流になってきました。最近、ゲームロフトがギャングスターRIO:City of SaintsN.O.V.A. 3 – Near Orbit Vanguard Allianceを無料化するという出来事がありましたが、「大手パブリッシャーの看板有料アプリが無料化」ということで、世界中のメディアが取り上げていました。AppStoreに対する影響力という意味ではElectronic Arts(以下、EA)にひけを取らないパブリッシャーだけに、今後の動向が注目されています。

 

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2013年に入り、EA(含むChillingo、PopCap、Firemonkeys)、ゲームロフト、2K Gamesなどの大手からリッチなフリーミアムアプリが次々と投入されています。Real Racing 3(レビュー)、ダーククエスト4(レビュー)、アイアンマン3(レビュー)、Sid Meier’s Ace Patrol(レビュー)、ブリッツ・ブリゲードなどはすでにリリースされているのでプレイした人も多いでしょう。今後リリース予定のTetris Blitz(ニュース)は既にフリーミアムモデルということが判明していますが、その他にもGangstar Vegas、Plants vs Zombies 2: It’s About Time(ニュース)などがフリーミアムとしてリリースされるとの見方があったりします。

AppsJPでは適宜英語圏の主要メディアやデベロッパーと業界動向についての情報交換を行っています。今回も「ゲームロフトの看板アプリの無料化」というタイミングで、2013年後半に向けどういった流れになると見ているのか、その道のプロとして常にAppStoreの動向をウォッチしているメディアやデベロッパーの担当者の見解をまとめてみました。人の数だけ見方があるという言葉通り、いろんな見方がありますね。市場動向予測的なコメントなので、現実的にどうなるかは蓋を開けてみるまではわかりません。最近よく目にする、いわゆるブランドネームが乗ったリッチ系フリーミアム(3Dグラフィックや膨大なゲームボリュームなど)が既存の大作系と呼ばれるアプリに取って代わってくるのかもしれませんね。そういった意味ではまだまだAppStoreの壮大な実験は続いていきそうです。基本無料(Free to Play、以下F2P)やフリーミアムとは違った新たな生態系が出現する可能性も残されています。

 

メディア・デベロッパーの担当者による見解

Peter Willington氏(PocketGamer/携帯ゲーム機担当エディター)
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「今回の無料化が意味するところですが、必ずしもゲームロフトが今後リリースするゲームが全てフリーミアムとなるということではないと見ています。有料アプリに対するニーズがまだあるということはゲームロフトも十分把握しているでしょう。

シングルプレイのFPSなどが該当しますが、フリーミアムモデルに簡単には移行出来ないゲーム体験もあります。仮にゲームロフトが全てのゲームをフリーミアム化するというのであれば、ゲーム性そのものを既存のものと大きく異なるものにせざるを得ないでしょう。例えば、シングルプレイではなくマルチプレイ重視ということになってくるかと思います。

推測の域を出ませんが、まずリリースから最初の半年は低価格で提供し、熱狂的なファンのダウンロードが一回りした頃に無料化してアプリ内課金頼みにするという流れも考えられます。」

 

Chris Reed氏(Slide To Play/チーフ・エディター)
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「ダーククエスト4、アイアンマン3、ブリッツ・ブリゲードのリリースでゲームロフトがF2Pゲームに興味津々なのが明らかとなりました。Gangstar VegasもF2Pとしてリリースされても全く驚かないでしょう。」

 

Andrew Nesvadba氏(元AppSpyチーフ・エディター)
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「このところのゲームロフトの動きを見る限り、F2Pというビジネスモデルを成立させようという意図があるのは明らかです。どれも平均点以上のクォリティーのゲームなので、他のF2Pモデルのゲームより人気が出るのは当然でしょう。ただ、小額決済でより儲けるために肝心のゲームプレイ部分を犠牲にしてファンを騙すことだけはして欲しくありません。」

 

Artur Starzyk氏(Infinite Dreams/マーケティング・マネージャー)
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「ゲームロフトはその動向が常に携帯ゲーム業界にインパクトを与える会社です。ゲームロフトが今年に入りリリースしたゲームのほとんどがフリーミアムモデルとなっています。2013年のトレンドとして他のパブリッシャーもこの動きに追随していくでしょう。ただ、本数は減ると思いますが、ゲームロフトは有料アプリも引き続きリリースしていくとは思います。」

 

Philipp Doschl氏(FDG Entertainment/プロデューサー)
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「ゲームロフトに限らず、明確にフリーミアム路線を打ち出している会社は多くありません。それでも、現在フリーミアムやF2Pというビジネスモデルは確立されたものとなっています。今後も多くのアプリがフリーミアムやF2Pとなっていくでしょう。ただ、有料アプリもニッチながら生き残っていくと思います。音楽業界がそうであったように、市場における多様性が商品の多様性につながるでしょう。CDの売り上げが減少し、ダウンロード販売が伸びているにも関わらず、以前より高価になっているレコードがニッチながら再び人気となっています。ハードコアなゲームも同じような道筋を辿るのではないでしょうか。」

 

Vincent Dondaine氏(Bulkypix/マーケティング・ディレクター)
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「今回の無料化ですが、ゲームロフトが保有している現状の商品ラインアップについては、確実に有料アプリの終焉と捉えてもいいでしょう。ゲームファンとしては、仮にゲームロフトが有料アプリを今後リリースしないということであれば、それは大きな間違いを犯していることになります。最近の大手ゲーム会社は「Free to Play」しか口にしません。確かにF2Pは収益を重視したビジネスモデルとしては最適です。ただし、長期的に見た場合は疑問です。市場のトレンドは急激に変化するものです。当社の経験則からすると、フリーミアムゲームというのは機能するジャンルもあれば機能しないジャンルもあります。当社も無差別にフリーミアム化してみましたが、ほとんど上手くいきませんでした。世界中のプレイヤーがフリーミアムゲームに仕込まれた課金の仕組み、そのほとんどがプレイヤー側のストレスとなるもの、に気付き始めています。当社としてはプレイヤーが対価として「いくらお金が必要か」明確なプレミアム有料ゲームをリリースし続けたいと考えています。市場は急激に変化しますが、フリーミアムも有料ゲームも共存出来るスペースがAppStoreにはあるということに賭けています。」

 

Johannes Vuorinen氏(Frogmind/創立者)
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「有料アプリとしてのみ存在意義のあるゲームが沢山あるので、有料モデルが消滅してしまうとは考えにくいと思います。しかしながら、有料モデルのフォーマットが変わっていく可能性はあるでしょう。例えば、ダウンロードは無料だけど、ゲーム全てをプレイするには別途課金が必要なお試し版的なモデルがさらに発展していくかもしれません。これはF2Pモデルというわけではないと思います。」

 

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