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レビュー:LIMBO Game


アプリ概要

LIMBO Game
開発   :Playdead
ジャンル :パズル
対応機種 :ユニバーサル
日本語対応:○
レビューしたVer :1.1
レビュー時の価格:¥250
レビュワー   :peter

動画

プレイガイド

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少年が森の中で目覚めるところからゲームが始まります。

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この地にいるであろう妹を探すため、少年は知恵と勇気を振り絞って前へ進み始めます。

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操作方法はシンプルで、どちらかの手で画面を左右に軽くドラッグすることで少年は歩きます。

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走りは歩きより多めに画面をドラッグ、ジャンプをするはもう一方の指で上スワイプします。マルチタッチに対応しているので、両手の指を使った操作ができます。

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物体を押すには進行方向へドラッグ、物体を引くには画面にタッチしながらもう一方の手の指で後ろの方向へドラッグします。

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ロープにぶら下がっている間は、タイミングよく左右にドラッグすることで勢いをつけて遠くへ飛ぶこともできます。

解説

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Xbox360、PS3、PCなどマルチプラットフォームで出ていた、パズルアクションゲームのiOSへの移植版です。他機種と比べてiOS版はだいぶ時間が経ってからのリリースとなりました。モノトーンを基調とした影絵のようなグラフィックが特徴的で、意地の悪い即死トラップ、狂気に犯された悪意むき出しの少年たち、水辺に浮かぶ多数の死体など、まるで終わりのない悪夢でも見ているかのような気分になる、ホラーテイストあふれる作品です。そして、そのモノクロのシンプルなビジュアルに反し、非常にリアルな物理計算の上に世界が成り立っている点も見逃せません。ちょっとした主人公の動作一つをとっても、作用・反作用、物体の動く力点や支点まで考えられた驚くほど豊富なリアクションが返ってきます。走る、ジャンプする、着地する、たったそれだけの動きでも、速度・高さ・質量の違いによって何千ものパターンが生まれます。このような物理計算によって裏付けされたリアリティの創出が、プレイヤーにこの世界の残酷なまでの生々しさを強烈に印象付けることになります。ただ、そのシンプルなビジュアルとリアルな挙動とのギャップがあまりに大きいので、人によってはリアルで不気味というよりは、シュールでユーモアに感じる人もいるかもしれませんね。実際私は後者のようです。

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このゲームには主人公が死ぬ際の残酷描写のバリエーションが非常に多く用意されています。巨大なクモに頭から串刺しにされたり、トラバサミに引っかかって四肢がバラバラになったり、巨大な石に押しつぶされたり、果ては感電死、落下死、水死など、それはもうありとあらゆる拷問(責め苦)を受けているかのような死に様を見ることになります。普通のパズルゲームで手順を間違えた場合は、何度もリトライして正しい解法を見つけるわけですが、このゲームはリトライの際に思わず眼を背けたくなる残酷な死の表現を付け加えたというのがオリジナリティを感じさせる点でしょう。ただ、無意味にそういったグロテスクな表現があるというわけではなく、死がありふれたものとして描かれているのはこの世界の成り立ちと密接に関わっており、必然性があるからこそ描かれているともいえます。また、グロテスクといっても、あくまでキャラクターの描かれ方は記号的なシンプルなものなので、不思議とそこまで悪趣味な感じもしません。中には怖いもの見たさでついつい遊び進めてしまうという女性もいるかもしれませんね。私なんかは怖いもの見たさが興じてしまい、ついつい色んな死に方を試してみては、そのシュールな死にっぷりがツボにはまって笑ってしまいます。傍から見ると悪趣味なのは私自身なのかもしれませんね….ホラー映画はコメディと紙一重とよく言われますが、あまりに突飛な死に様って逆に笑えちゃうんですよね。

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史上最弱のスペランカーの主人公よろしく、LIMBOの主人公もそれに負けじと死にまくります。

 

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ストーリーは作中ほとんど語られることはなく、運命に逆らい、妹を探して少年は LIMBO の世界に足を踏み入れる、とだけストアの説明にあります。運命とは何なのか、果たして妹は無事なのか、そして少年はこの生き地獄のような世界から生還できるのか、最終的にはプレイヤーの想像力に委ねる形でエンディングを迎えます。タイトルのLIMBOというのは辺獄という意味で、地獄そのものでは無くそこへの入り口です。キリスト教でいうと地獄と天国の中間という概念で、仏教の賽の河原に近い存在です。拷問のようなありとあらゆる死が描かれるのは、この世界が地獄に近い場所だからでしょうか。少年が凄惨な死を通過しなければならないのは、原罪を清算するための贖罪行為と捉えることもできるでしょう。まだ無垢な少年が幾多の死を乗り越えながら、妹に会うためにひた向きに前へ進む恐ろしいまでのピュアな姿にこそ、美しくも残酷な世界で唯一希望を感じられる部分なのかもしれません。タイトルが地獄そのものではなく辺獄というのも面白いですね。もしかしたら天国へ行けて救われるのかもしれないし、逆にこれから地獄へ落ちるのかもしれない。いずれにせよ明確な答えはないのでモヤモヤする人もいるかもしれませんが、私はこの想像の余地を残した終わり方のほうがしっくり来るような気がします。

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操作性は流石にコントローラーと同等とはいえませんが、充分遊べるレベルでしょう。序盤はアクション性が低いので問題なくプレイできますし、後半多少アクション性が増えますが、リトライポイントが大量にあるので理不尽な難しさはそれほど感じません。Pocket Gamerのニュースにあった通り、iOS7からサポートされるゲームコントローラーに対応しているようなので、コントローラーでプレイできる日も近いのかもしれません。難易度曲線は非常に緩やかで、プレイヤーの試行錯誤と学びのサイクルがバランス良く配合されており、アクションが苦手な人でも遊びやすい難易度になっています。また、純粋に物理パズルゲームとしてみても秀逸で、すぐ思いつく解法では正解には少し足りず、ちょっとした発想の転換が解法に繋がるようになっています。解法の糸口がつかめない意地悪な仕掛けはほとんどなく、プレイヤーが解法を自然と発見できるようになっている所も良心的です。少年のできるアクションが少なく、限られた解法で試行錯誤できるようにしているのも難易度がむやみに上がらない理由の一つかもしれません。

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BGMを極力排除し、死の匂いを感じさせる効果音を随所に利用し世界への没入感を高めます。

 

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開発はデンマークに会社があるPlaydead。北欧といえば長く自然を畏怖の対象として捉えてきた歴史がありますが、こういう世界観のゲームが生まれたのも、そんな歴史的な背景があったからかもしれません。単に死にゲーの陰鬱的な雰囲気だけのゲームに終わることなく、ありふれた死をストーリーや演出に絡めることで、違和感ないものとして描くことに成功していると思います。逆に言えばシンプルな物理パズルを補うために、プレイヤーに行間を読ませる世界観をつくりあげ、単にリトライする部分に死というワンクッションを置いたともいえますね。プレイ時間は5~8時間程度で、短すぎず長すぎずといった感じでしょうか。世界を探索するアドベンチャー部分に仕掛けられた物理パズルとのブレンドが非常に良好で、次はどんな罠が待ち受けているのかと考えるとゾクゾクしてきます。好き嫌いがはっきり分かれそうなゲームではありますが、ホラーをコメディとして楽しめる人、ちょっぴりダークテイストな世界観が好きな人にはピッタリなゲームです。ただ一つ残念だったのは、リリースの時期がちょっと遅かったかなという気がします。こういう影絵のようなグラフィックのゲームはiOSでは既に大量に出ていて、新鮮味に欠けてしまった印象があります。思いつくだけでもNihilumbra (レビュー)、BADLAND(レビュー)、Night Sky(レビュー)、Vector for iPhone(レビュー)などが挙げられます。移植の時期が早ければもっと注目を集めていたかもしれませんね。

レビューまとめ

+ポイント

余計な視覚情報を削ぎ落としたシンプルで幻想的なビジュアル
無駄なものが一切ない練りこまれた物理パズルのレベルデザイン
プレイヤーの想像力に身を委ねたストーリー
シュールな笑いを誘う残酷な死の表現

-ポイント

良くも悪くも好き嫌いがハッキリ分かれそう

評価点:  91/100

英語圏主要メディアのレビュー点数

100:Slide to Play
100:AppSpy
90:148Apps
90:Pocket Gamer UK
60:Touch Arcade

カスタマー評価

80:AppStore(US)
90:AppStore(GB)
70:AppStore(JP)

アプリダウンロード


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